研究者の卵の卵

決して頭がいいとは言えない大学生が、日々おもったことや学んだことをつらつら書きます。人工知能や脳科学の話が多くなりそうです。

初めての国際会議@マレーシア科学大学

先日、12/11、12/12にマレーシアのUniversiti Sains Malaysiaで開催された国際会議 "International Conference on Creativity, Innovation and Invention in Digital Technology = CIIDT" に参加したので、そのときの記録を残したいと思います。

打診

夏休み、東大の某DL大好き研究室と幣高専の共同プロジェクトで開催された、高校生向けのディープラーニング入門講座にTAとして参加していた私は、最終日に研究室のボスに突然声をかけられました。

「国際会議に論文出さない?」

とのことだったのですが、実家が遠方で、サマースクールのために一時的に高専に戻っていただけだったので正直最初は若干悩みました。
ただ、このブログでも何度か触れている通り、実は私は研究者志望ですので、学部に編入する前に一応世界中の人が自分行った研究に触れられるように実績は積んでおこうということで承諾しました。
学会の名前だけ教えていただいて、現段階で出ている実験データを(もちろんボスから許可を得て)持ち出した私は実家に到着してからその学会の名前をググりました。

すると、まぁずいぶんと凝ったデザインのウェブページが出てくるではありませんか!
ちょっとテンションがあがったのでもう少し調べてみると、全然無名の会議だったので若干がっかりでした。
ただ、こちらも無名ではあるものの無事に査読に通って採択されると、学会での発表+学術誌への掲載も可能とのことだったので、実績にはなるだろうということで執筆を開始しました。

この段階でフルペーパー締め切りまで3週間

執筆

私は比較的英語が得意な方なので、できればいきなり英語で書きたかったのですが、ボスから「校正は日本語の原稿で行う」との指示があったので、しぶしぶ日本語で執筆を開始しました。

当然今まで書いた論文は一本だけなので、いろんな部分に修正指示が入りながらなんとか形にはなったので「よし、今からこれを全部英語に訳しましょう」の段階に入りました。
正直、訳す系のタスクはめちゃくちゃ苦手なので本当に二度手間だなぁと感じつつも、翻訳作業を行い、無事論文の提出を完了しました。

前日

実は、海外渡航自体初めてだったので、かなり緊張しながら準備を行っていました。

入国審査ゲートが最初の難関、なんて言われますが、マレーシアの入国審査はかなりザルで、指紋とってパスポートにスタンプ押してもらって終了でした。

前入りしたので初日は早朝から移動に費やし、ホテルにチェックイン後は適当に近くのスーパーで飯や飲み物を購入し、ホテルに持ち帰ってプレゼン資料の修正をしながらもぐもぐタイムを満喫しました。
テルチェックイン時にあまりにもホテルマンのなまった英語が聞き取れなかったので、夜中に葉巻を吸いに行くついでにホテルのフロントのお兄ちゃんたちと30分ぐらい雑談をして耳を慣らしました。
一人はマレー系、一人は中華系のお兄ちゃんたちだったのですが、ここで「マレーシア訛り」なるものは存在しないことに気が付きました。

しかも、公用語が英語の国なのである程度しっかりした英語を話すのかと思っていたら意外や意外、人によって文法の崩れ方がまちまちではありませんか。
ある程度マレーシア人の英語の癖はつかめたので、その日は午前1時ごろには就寝しました。

当日

引率していた教授(ボスは別の国際会議に参加してて来なかった)たちの昔の教え子のマレーシア人が、開催してる大学の准教授とのことで、朝からその先生に迎えに来ていただいて会場に乗り込みました。
USM、めちゃくちゃでかいですね。びっくりしました。
そしてメイン会場、ちっちゃいホールみたいなのを想定していたのですが、なんか国会議員とかが口喧嘩してる会議室みたいな感じの部屋でした。 割とでかめの机が部屋全体にU字に配置されていて各テーブルからはマイクが生えており、真正面には巨大なディスプレイ。
こんなに威厳のある部屋で無名カンファが開かれるなんて・・・と唖然としていました。

ただ、パラレルセッションで進んでいくので他にもサブホールが2つあり、その2つはかなり小さな部屋でした。
私が発表したのは小さいほうの部屋でした。

私と引率教授の片方、専攻科の先輩の3人が本学から発表を行ったのですが、私だけが一日目でした。

1年前に国内のJSAIの研究会に参加したときはド緊張で息あがりまくりだったのですが、今回は全然緊張しませんでした。
というか、マレーシアと日本では発表のテンションがだいぶ違っていて、みんなかなりラフに、オーディエンスのリアクションを見ながらフレキシブルに話してたので私もそれを真似ました。
時間制限はあったのですが、ある程度アドリブを入れてもぴったり終わらせる自信はあったので「ここは理解してくれてるな」「あれ?ここよくわかってないか?」とか、オーディエンスの顔色をうかがいながら無事にプレゼンを終わらせました。

QAセッションは少し自信なかったのですが、プレゼンで勢いづいたのか、思ったよりはちゃんと話せました。
質問の意図がわかりづらい場面とかもあったのですが、とりあえずこの辺かな?という話題で話し始めると、質問者の側も知りたいことを知るためにうまく話題を掘り下げようとしてくれるので、回答というよりは議論みたいになりはしましたけど無事にコミュニケーションも取れました。

やはりうまくいった一番の勝因は、前日にホテルマンと喋りまくったことだったと思います。
いかんせん訛りは本当に強いので、あれをやっていなければ質問を聞き取ることもできなかったと思います。

周りの演者たちの発表にも興味あったのですが、USMから参加してる演者たちの研究はほとんどサーベイばかりで少し退屈でした・・・。

最後に

本当に、ボスには感謝してます。

無名とはいえ、20歳で国際会議に参加して学術誌に論文を掲載できたという事実は、これから研究者を目指すキャリアの第一歩としては本当に好調な滑り出しだったと思います。

論文書いたりプレゼン作ったりする過程では、いろいろとストレスを感じたり他のことが手につかなくてイライラした場面もあったのですが、それを支えてくれた愛しきガールフレンドにも、精いっぱいの感謝を送りたいと思います。てか送りましたもうすでに。

あとは卒論書いて、大学入るまでに神経科学の知識を少しでも多くつけておくことを目標にしています。

自分にお疲れさまでした!